正社員のレールに乗った人間の、レールに乗れなかった人間
一度非正規になる、非常にリアルに感じる格差社会。。その格差社会とは、正社員という企業保障のあるレールに乗っている人間と、非正規(派遣やパート)というレールに乗っていない人間である。
正社員というレールに乗っている人間は、定年までの雇用保障と、年金による一生涯の金銭的保障と、望めば家族が手に入れられるお金がある。それ以外にも、会社員としてのアイデンテティを持つ事が出来るだろう。
でも企業の正社員のレールに乗れなかった者は、定年迄の雇用保障も年金も、家族を手に入れられる資金も無いのである。こんな事は、新卒後適当に入った正社員で、会社の椅子にの~んびり座っていた時は考えもしなかった事である~。
派遣社員になって感じたのは、正社員に対してオーラを感じてしまう点である。コレはきっと私の欠乏感なのだと思う。自分が何か足りないと思うほど、それらを持っている人間が輝いて見えてしまうのである。別に持っている人が悪い訳じゃないのだ。
派遣社員から正社員が輝いて見える理由
具体的に見てみよう。

正社員A氏:特段仕事をしなくっても、定年迄&年金の一生涯の金銭的保証がされている。毎月給料が入り、食費&物の購入&子供の学費&偶の旅行に行く事が出来る。金銭に対する不安は一生涯ない。
派遣社員B氏:仕事内容は正社員と同じだが、雇用保障がない。いつ切られてもいい様に貯金している。
そんな派遣社員B氏からしてみれば、一生涯の金銭的不安のないA氏は幸せの絶頂に見えるのである。
例えば、想像してみて欲しい。A氏の持つ一生涯の金銭的保証は何を意味するのか~と。
そのお金によって、それなりの服が着れて、食事が毎日食べられて、住宅もある。たまには娯楽も出来るし、家族を持つ金銭的余裕もある。年取って働けなくなった時のお金の保証もある。
A氏にも悩みはあるだろうが、生活を脅かされる悩みではないのである。あくまで最低ラインの生活が100%保障された安心&確信があっての上での悩みなのである。
それらの正社員にとっての普通が派遣社員には無いので非常に輝いて見えてしまうのである~。
正社員が何かを失うと同情され補償される
正社員は当たり前の様に思っているかもしれないけど、正社員は何かあると同情され補償されているのだ。
勿論、正社員でも、稀にトラブルによりその保護を失う事もあるあだろう。例えば会社が潰れてしまったり、リストラされてしまったり、大震災で被害にあったり、正社員の旦那さんを若くして亡くしたり等~。

そんな万が一の時でも正社員は驚くほど保護されている。会社が潰れても民事再生法ですぐ潰れない様になっているし、リストラされても直ぐにリストラされる訳じゃないし、多目の退職金が出るかもしれない。地震が有ればその損失を国家で補償してくれるのだ。
こうして一度正社員の身分を得た人間は、仮に何らかのトラブルでその恩恵を失った場合、世の大多数の、同じ正社員という資格を持ち、その恩恵を受けている人々に同情され保護されているのだ。
これを非正規の立場から見れば、正社員という身分に生涯甘んじている彼等は、一度、正社員の保護から転落し、非正規と同じ様な立場に立ったかに見えるが、とんでもない、彼等は、今迄の正社員の貯金や割増賃金や年金で、ずっと非正規だった人とは状況が全然違うのである。
結局、前から正社員だった人間は生涯保護され何かあっても補償され易いが、何らかの理由で正社員になれなかった人間は、無視され冷遇され続けているのだ。彼等の世界は断絶している。
実例を見てみよう
実例その1正社員の旦那の死去
私が正社員だった時、社内で40代位の男性が亡くなった。奥さんと子供が居たらしい。そこで社内の人達で募金活動が行われた。残された彼等に、会社からの弔慰金と合わせて奥さんに渡されるのだ。
ちなみに私は払わなかった。何故なら私は彼を知らないからだ。
これ、同じ正社員の立場からすれば同情される話である。雇用保障のある旦那を亡くし、残された専業主婦の奥さんや子供は路頭に迷うだろうから寄付金をと。これは理解できる。
でもこれ、非正規の立場で見たらどの様に写るだろうか。。非正規の人はこの募金なんかしようと思うだろうか、、そもそも自分達はその雇用保障すらされずに働いているんのだ。元々恩恵を受けられなかった人間は生涯貧しいままである。
この様な話は山ほどある。。
実例その2 親の違いによる不遇
A氏:比較的安定した家庭に生まれ学校卒業後適当に受かった会社に正社員入社した。
B氏:親子関係が最低な家庭に生まれ学校卒業後適当に受かった会社に正社員入社した。その後家庭での心のトラウマが原因で人間関係が上手く築けずコミュ不全とされ、クビになり、その後非正規で働き続け、現在は非正規独身で、年取った親に世話をしろとせがまれてる。
コレは私が生で聴いた話だ。私はB氏の怒りや遣り切れなさを苦しみを分かるつもりだ。私は、その時何か彼に声を掛けてあげたかったけど、そんな分かった様な事を言う事も当然出来ず、、ただ聴いていただけだ。
A氏は比較的順風に人生を生きやすく、B氏は、正社員の職も得られずその日暮らしをして、金銭的不安と、迷惑の親との板ばさみで苦しめ続けられている。。
B氏から見れば、A氏は全て持っていて輝いているのである。A氏は生涯優遇され、一生涯の金銭的保証と資金を元に家庭だって作れる。。でも、B氏は社会ではひきこもりで働かない人間だとバカにされ冷遇され、何も得られないまま時間を過ごすしかない。

持つていない者には、持って居る人間が、彼等が何を持っているのかよく見えている。そして得られなかった人間はその後も累積的に何も得られず生涯不遇な一生を運命付けられているのだ。コレが私達の現代の日本社会ではないのかと思うのだ。
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