下町の町工場での顔合わせ
コレは私が下町の町工場に派遣された時の事でした。その町工場の駅は改札出口が一つしかありませんでした。
派遣先との顔合わせ当日、駅のマックで営業担当者と打ち合わせをしました。そのマックは派遣先の町工場とは改札の反対側にあり、その後線路沿いに真っ直ぐ5分程歩いた角のマンションの2Fが派遣先だったのです。
派遣初日、迷子になり会社に遅刻する
顔合わせを通過後、数日後、勤務初日がやって来ました。会社の駅は改札が一つしかないし、場所線路沿いに真っ直ぐ歩くだけだったので、私は、会社の地図も電話番号も必要ないと思って持っていかなかったんです。20分位早く着いて、近場で時間を潰そうと思っていました。
私は前回の顔合わせ同様マック側に降りて真っ直ぐ線路沿いに歩いていったのです。

しかーーーし!! 何故か~、事務所に着きません~。おかしいい、こんなに遠くないはずだしなんだか前回と景色が違う気がする。。。道を行ったり来たりして、それっぽいマンションを上がるも全然その会社に着かないんです。おかしい。。
で、焦って、派遣会社に電話するも、9時前なんで誰も出ません。会社の地図も電話番号も持っていません。結局、探すのを諦めて、9時になるのを待つことに。それで要約連絡がついて、なっなーーんと!! 私は会社のある改札の逆に出たんです。だから着かないはずですよ・・・
働く初日で遅れるなんてやばいよな。。ぐ~たらだと思われるんじゃないかとか、その町工場に到着しました。20分は遅れたと思います。
オレの力を舐めんなよ!!

その町工場の社長さん(顔合わせ済み)は随分と怒っていたみたいでしたー。彼は「今度やったら、契約を更新しない!」ってみんなの前でジェスチャーしていました。
私は正直その彼の態度に偉そうだな~と思いました。何か自分の力をふりかざして、ある意味、私や周囲に契約更新の権限を握っている事でコレ脅しをかけてるんですよねっ。
彼は自分のメンツが潰されたって思ったのかもしれません。労働者20人のボス(社員は数名他派遣)としてやってて、新しい人が来ないという行為は自分を軽く見る行為だと思ったのかもしれないって。恥を欠かされたと思ったのではないかと。
でも、私の感覚で言うと、20人程の会社を作る人のレベルってこんなもんなの?とも思いましたけど。。
私は、タイミングを見て、その社長に自分の行為を正式に謝罪し、なぜ遅れたかについて、理由を説明したんです。怠慢ではなくトラブルで遅れた事を伝える必要があると思ったからです。それは改札の出口を反対側に出たからです。でも彼はその事を派遣会社の営業担当から聞いていたのですよ。反応がそうでした。
営業担当者さんに待ち伏せされる
1日の帰り際、その会社担当の割りに感じのいい派遣営業マンが、少し喫茶店で話しませんかと、出口で待ち伏せしていたのです。
彼の説明によると、社長は随分とお怒りの様で、私の遅れた理由の説明も言い訳をすると激怒しているというのです。ただ、私の感じ方では自分の行為については謝罪したので下らないな~と思いました。
営業マンいわく、社長は、「契約更新は絶対しない!! 彼女には今の仕事は合わないんじゃないか?」と言っているというのです。はぁ。。でも、営業担当者さんもこれ以上は何も言わないんです。で、だから、私はどうすれば??
コレ、私、契約解除せざるおえません。無理に居るのもヤですし、じゃー辞めると言わざる終えませんし、私も、他の仕事を探した方がメリットがあるように明らかに誘導されていたのです。
法律で照らし合わせてみる

ただ当時の私は当然法律は知りませんし余り興味がありませんでした。でも今、法律に照らし合わせてみると下記のような事が分かります。
労働契約法第十七条 使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。
労働基準法第20条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
要は契約期間中はやむ終えない事情がなければ、契約解除出来ないんです。でそのやむ終えない事情とは、事業の継続が困難な場合なんです。
結局、派遣先も、雇用主も、私を契約期間内に切る事は法律上出来ず、もし仮に契約期間内で切るならば、替わりの就業斡旋をするか、残りの賃金を払う必要があるのです。
その為に、派遣先と派遣会社は、私の契約解除をする為に結託していたのです。派遣先は雇用延長しないと言っている事、私の非のせいで社長が激怒している事を私に伝え、このまま居てもあなたにはメリットは無い。自ら辞めた方があなたにとって得であると誘導したのです。
法律は役に立たない
この件の、真実を知ったのは、実はここ最近の事なんです。私もお目出度いでしょう? でもねー私に起きているという事は、他にも起きているんですよ。しかも私の様に自覚がないんですよ。
自分から辞めた方が得であると、誘導され、自ら辞める決断をしているからです。でもコレって怖い話ですよね。勿論、初日の遅刻というのは私に非がありますが私は謝罪しています(説明付きで)。しかしここで問題になるのは、どの様なトラブルがあったかではないんです。
この様な事が可能なら、雇用主は派遣スタッフに非がある様にいくらでもイチャモンつけて、居ずらくさせて自主退社させれば合法的に契約解除出来るんですよ。スタッフも自分から辞めたと思ってるからです。私もそうでしたから~。
コレが現在の先進国である日本社会で起きている、労働現場の人間荒廃の様ななんとも恐ろしい現実なんですよねっ。
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