「貧困世代」 非正規は一生涯の貧困に ☆本の感想           




「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」

(藤田孝典著)

 

 

ワーキングプアの大半は非正規(派遣やパート)労働者です。そんなワーキングプアの私達の悩みは、もっぱら、雇用保障なし&薄給の金銭的問題ですよね。

 

でも恐らく非正規の大半の人達は、カツカツながら、親の経済的支援、例えば、同居して生活するなどして、現状なんとか生活できている人が大半だと思われます。

 

しかし、世の中には、ラッキーにも頼れる家族が居なくて同居できなかったり、居ても頼りにならなかったりで、今の日本社会で? と思う様な貧困に陥っているケースは、恐らく、非正規の私達には想像できる世界なのではないでしょうか?

 

何故なら私達も又一歩先にはそんな世界が待っている事をひしひしと感じているからです。

 

雇用環境の悪化により、一億総中流社会は終わりを告げ、正社員の旦那さんと専業主婦かパートの奥さんと子供2人で安定した生活と言う家族モデルは気が付けば崩壊してしまいました。

 

現在アラフォー世代にとっては、この核家族モデルは、結婚して得られるはずだった理想でもある訳ですよねっ。なのに、何で自分は、正社員の旦那なし、子供なし、正社員の職なし、貯金なしという4重苦に見舞われているんだよ!!っていう~。。

 

そーして、当然、その様な緊急事態に陥って、なんとなくヤバイと感じている女性達はこの日本に大勢居る事でしょう~。

 

勿論、一番いいのは非正規を抜け出す事、もしくは正社員の旦那さんと結婚する事だけど、そうは上手く行かないのが人生で~~(苦笑)。。その為に、あなたが知らないといけない事があります。

 

非正規を続けている人達は、貧困がどういうものなのか実は経験で分かっているのです、その怖さもね。だってギリギリの生活をしているのだから~ね。

 

 

だからこそ、もし今の道を更に転落したらどれ程の貧困になるのか、貧困の実態とはどれ程なのか? 現在、国で行われている支援は何か?

 

今後どの様な支援が必要であると著者が具体例を提示、著者とともに貧困に目を向け、知識を学び、イザという時の為に私達は自己防衛する必要があるのです。

 

 

あらすじ

高度経済成長の時代は年功序列&終身雇用で1億総中流社会だったが、現在は雇用環境が悪化し、厳しい生活を強いられている若者が増えている。非正規の生活支援が必要である。

 

 

若者貧困者の事例

教育現場からの排除・奨学金返済や年金の支払い苦・雇用、労働環境の劣化・支える家族機能の縮小・住宅支援の不備等 幾重にも重なる不備が若者を追い詰めている

 

私の経験でいうのなら、抱える問題が一つ~数個であるのなら、割りに問題なく生活できるのかも知れないが、複数の問題を一気に抱えている人間だって沢山いるのだ。結果的に、精神的に、金銭的に追い込まれていく。

 

この本に出てくる貧困者達の事例は、今の日本でこんな貧困があるのか?という驚きを感じると思う。でもその実態は非正規で働く私達にとって、一歩先の世界にある身近な話だと感じるだろう。

 

 

若者の貧困は社会で認識され難い

労働万能説・家族扶養説・青年健康説・時代比較説・努力至上主義説(働けば問題は解決する、家族は味方だ、若者は健康である、現代の方がらくだ、若者は努力するべき)論

 

結局、数十年前と今では社会の状況が違うし、50年前の人間が苦労人で、現代の日本人が楽ばかりしているという訳でもないのだ。表面上は社会は発展し日本人は楽に生きていると思われるかもしれないけれど、少なくとも私は全く楽して生きてなんていない。

 

特に家族扶養説の誤解が私は一番大事だと思う。家族は子供を愛し保護してくれるはずだ。それは理想ではあるけれど、そうでない家庭に生まれた子は地獄である。そういった子は累積的に様々な問題を抱えやすくなり社会の下層を生きる事になるのだ。

 

 

住宅支援の重要性

住宅は最大の福祉制度
(安価で安心して住める住宅があれば低賃金であってもホームレス化しなくてすむ)

 

派遣で一人暮らしをしていた時、特にその状態で仕事を失った時、生活の継続は厳しくなります。出費の多くを占めるのは家賃。当時、住宅確保給付金制度(現 生活困窮者自立支援制度)というのがあり、こちらを利用。求職中、家賃の補助(ほぼ全額に近い)を数ヶ月に渡り受けていました。家賃を補助して貰うだけでとても助かりました。

 

 

若者サポートステーション

「引きこもり」や「ニート」と呼ばれる若年無業者の職業的自立を促すために設置された相談窓口。就職斡旋が目的ではない。

 

働く以前に、働く事に躓きがある人も多いと思う。私もその経験者です。

サポステではキャリアカウンセリングでお世話になり、1時間×10回位通いました。ハローワークで個人的に継続して面倒見てくれることはなかなか難しいと思うのですが、サポステではマンツーマンで面倒見てくれますよ。

 

 

著者の貧困対策への提言

労働組合の復権・教育費のスカラシップ導入と富裕層への課税・子供の貧困対策・住宅支援

 

私自身は、どうするべきとかどうあって欲しいとかは良く分かりません。しかし、過去は良くて現代は悪いというのもおかしな気がして、本当は過去もそれほど良くなかったかもしれないのにとも思います。

 

でも大過去、過去、現在と見た時に、少なくとも過去と現在における雇用の悪化は真実で、国民が最低限度の安定した生活が送れていない事は事実で、これは大問題じゃないかって流石に思うのです。

 

 

非正規の私達は、危うい経済基盤でかろうじて生活しています。

 

この本に出てくる若年者の貧困、大抵は職を失っていたり非正規労働者で、更に家族の援助を受けられない状態で貧困に陥っています。

 

彼等の貧困は、非正規労働者である私達には、同居する家族や、非正規の職を失えば、半分片足突っ込んだも同然の貧困の世界であるのではありませんか?

 

この本を読んで、非正規が陥りやすい、現代の貧困の生の実態を知り、私達は自身のセイフティネットの為にも、日本の社会保障制度を知る必要があるのではないでしょうか?

 

今後日本社会がどうあれば非正規でも最低限は生きている社会が築けるのか、非正規経験者だからこそ分かる問題を、著者と共に一度考えてみるべきではないでしょうか? そして、自分の現状からどうすれば脱却できるのかの切欠にして下さいね。

 

 

 

派遣社員として働く事の問題意識を深める本 7冊

2018.07.02

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