もくじ
「中高年ブラック派遣 人材派遣業界の闇」
(中沢彰吾著)
現在、派遣で働いている皆さんも、3ヶ月更新の長期派遣で働いている方が大半だと思います。
でも、3ヶ月契約更新の派遣の生活は不安ですよね。。。雇用保障なし&薄給、会社側の都合での一方的な派遣切り。
薄給(ボーナス&交通費なし)により、仕事を失った時の為に日々の生活を切り詰め貯金をしているけれど貯金が貯まらない、
そんな生涯にわたる慢性的な金銭的不安を抱えている事と思います。

そんな派遣社員の仕事を続けていると、、雇用保障なし、薄給、貯金できないという金銭的な不安から、少しでもお金を稼ぎたい。
本業以外に残った体力で少しでも収入を得て、金銭的不安を和らげたい、と思うのではないでしょうか?
会社の不本意な連休の時や(派遣は時給なので働いた時間しか給与が出ないから休みは嬉しくないですよね)、
休日、現在の派遣の仕事と新しい派遣の仕事との間の時間を、少しでもお金に変えたいと思うようになるんです。
そんな時、多くの人は、簡単にお金になる方法をネットで検索し始めます。そーして目に留まるのが、、
「一日単発・人間関係のストレスなし・即払いOK・だれでも直ぐ出来る」 所謂、「簡単にお金になる」 という宣伝なんです。
どうです~? クラッと来たでしょう(笑)? 実際、私もあっさりクラッときてしまい、この一日単発派遣に手を出したのです(5日ほど)。
これは「スポット派遣」といわれ、カタカナ言葉でおしゃれ?に言っていますが、「日雇い派遣」を現代風にかっこよく言ったに過ぎません。
実際私もこの明るいスポット派遣の宣伝に惹かれ、日雇い派遣に手を出し、5日程働きました。
が、現実は1日(8時間)を6000円に変える、3ヶ月更新の派遣が3ヵ月後の生活が見えないのと同じ様に、日雇い派遣は1日しか先が見えないその日暮らしの厳しい世界でしたよ。
現在の日本社会で雇われて働く労働形態は、「正社員、パート、派遣社員、日雇い派遣」の4種類ですよね。
その中で、正社員(貴族)は問題ないとして、非正規に当たるパートや派遣社員の方で生計を立てている人達は、生活は当然にカツカツですよね。
そうなると、空いた時間を少しでもお金に変えたいと思った時、次に手を出すのは、当然この日雇いしか残されていないんです!
現在3ヶ月更新の長期派遣をしていて、会社の都合で更新されなかったら、
もしくはパートじゃ生活できないから、空いた時間をお金に変えたいと思ったら、次に選ぶ選択肢はこの日雇い派遣になるのです!!

3ヶ月の長期派遣より厳しい日雇い派遣の現場とは、、3ヶ月更新ですらない、1日をお金に変えるその日暮らしの生活とは、、
3ヶ月更新より更に厳しい、人材の使い捨て、労働力の低下、貧乏な生活。。
そんな日雇いの世界とは・・・
あらすじ
著者は東大卒で、大企業を50代で介護離職。その後、1年間の日雇い派遣に従事した経験から描く、派遣の真実の世界。
派遣をやっていれば誰もが感じる、人材の使い捨てや、労働力の低下、貧乏な生活を、著者が個人の体験から包み隠さず話してくれます。
派遣の使い捨ての現実(契約期間内の違法な首切り)
労働契約の一方的な破棄(即日解雇)が行われている現状。
実は私の経験によると、派遣の契約期間内の首切りは違法ですが合法的に可能なんです、何故ならば、労働者の合意を持って辞めるように仕向ければいいからです。
又、契約更新されない派遣切りは日常であり、その契約更新されない理由自体が、雇用主(上司)が、会社の都合や、派遣社員の生活を全く考えない態度や、人の好き嫌いや、人間関係、等々で簡単に派遣切りし、
派遣労働者は生活の糧である雇用延長を、雇用主(上司)に握られている弱者に過ぎないと感じました。
契約に関する違法行為
時間契約外の給与が出ないサービス労働をさせている。時間契約の労働にもかかわらず、契約時間未満で仕事が終了したからと、ちょろまかし労働時間分しか給与を払おうとしない。
私自身は、多分これ等の事を経験した事がありません。
でもね、この多分っていう所がミソで、こういった事があっても問題に気が付かないか、もしくは揉めるのが面倒だったりいい人になってしまい、潔く諦めるのではないでしょうか?
法律上違法とされた派遣が合法的に広まるまで
人材派遣業は原則禁止されていた(憲法18条が禁止する奴隷的拘束、労働基準法6条が禁止する中間摂取が行われやすい、労働者保護に著しく欠ける為)
1985年労働者派遣法成立 以降、
安価で便利な労働者を必要とする財界の求めに応じて段階的に解禁されていく
派遣法の改正の歴史を辿ると、改正の度に、規制が緩んでいくのがよくわかり、派遣労働者にとって良く改正された事は特に無いのではないでしょうか?
派遣による素人労働力によるサービスの低下
熟練者と素人の差
会社の仕事というのは、一般的なオフィスワークなら3ヶ月あれば習得可能ですよね。でもだからといって、数ヶ月でその会社で仕事が出来る様にはならないんですよ。
私の正社員の経験と比べると、会社の仕事というのは、長期に渡って業務に取組んで、業務だけでなく、
社内、取引先、業界への様々な知識、経験の集積、人間関係のトータルの総合能力によって仕事を回すものなんです。
派遣は上限が3年と決められていますが、その度に、今迄習得したものをリセットする事になるのです。物凄いエネルギーの消耗だと感じました。
又、同じ仕事をして差が付けられると、当然低い方(派遣)はやる気を無くすし、雇用保障がない=自分を守らないなら、会社への忠誠心も無くしますよね。
結果的に、労働継続期間の短期化、給与差による労働者の意欲喪失、雇用保障が無い事による会社への忠誠心の喪失は、労働者のサービス力の低下をもたらす事になったと感じました。
派遣の薄給&雇用保障なしの貧乏な生活
年収200万円以下では、家賃や水道光熱費、通信費以外の食費、ありとあらゆるものを切り詰めた生活を余技なくされる。当面、必要でないものを買うなど考えられない。
私は派遣&一人暮らしという、全く先が見えないカツカツな生活をしていました。派遣&一人暮らしなら生活保護の方が余程いい生活してるだろうと感じました。
派遣になってからは、正社員の頃に様にブランド物や、旅行、飲み会、趣味へお金を使うことは、全く出来なくなり、常に節約モードでしたよ。

現在、3ヶ月更新の長期派遣をやっている方は、薄給&雇用保障なしから、いづれ生活に行き詰まり、空いている時間を少しでもお金に変えたいと思うようになるんです。
そんな時あるのは、空いた時間をお金に変えるというスポット派遣(日雇い派遣)しかないんです!
更に、現在の長期派遣の仕事(もしくはパート)を失い失業すれば、次の仕事はこのスポット派遣しかないんですよ!!
若い時はまだ時間があるし体力もあるのでガマン出来るかもしれないけれど、中高年で更に正社員への転職の可能性が狭まれば、
中高年で、労働カーストの最下層である日雇いで働かなければならなくなる事も、、
現在の3ヶ月更新の長期派遣で生活する事が、どれだけキケンな労働形態なのか、日雇いの労働現場が、どれだけ過酷で荒廃しているのか、この本を読んで現実を知るべきです。
そして現在の中途半端な働き方、長期派遣を卒業して、もしくは、今後の生活を考え直す契機にして下さいね。
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